調理の際に120℃を超えるか、超えないかがポイント
NG:
揚げる、焼く、炒める、電子レンジ。
調理の際に120℃を超えるか、超えないかがポイント。AGEは蛋白質が糖や脂肪と一緒に高温で加熱調理されたときに発生するので、コゲや焼き色がついたり、きつね色になったりする調理法ではAGEが増える。電子レンジも高温になるためNG!
OK:
蒸す、ゆでる、煮る。
鍋・しゃぶしゃぶ:生の状態がAGEの量が最も少ないが、消化不良や食中毒のリスクもある。
蒸す、茹でるなど、水を介して加熱する調理法がおすすめだ。
また、同じ鍋料理でも、蛋白質が糖や脂肪と結びつきやすい炭焼きより、しゃぶしゃぶの方がベター。特に低温蒸しは◎
AGEとは
終末糖化産物、蛋白質と糖が加熱されてできる最終生成物のこと。いわば、糖まみれになったなれの果て。強い毒性をもち、老化を進める原因物質であることがわかっている。老化というと、体力や脳の衰え、肌のシミ・シワなどが思い浮かぶかもしれないが、それだけではない。AGEが体内のあちらこちらをむしばみ、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、がんなど、重い病気に引き金となるのだ。AGEから体を守るには、AGE含有量の多い食品を避けることが基本だが、ある調理法によっても大量に発生してしまう。それは高温加熱だ。直接焼いたり、油を使って加熱したりした場合にAGEの量が増加し、120℃以上で加熱した場合に跳ね上がるという。水を使った調理をすすめる。水を使って調理するとAGEを精製する糖と蛋白質がいくらかでも抜けます。また、糖と蛋白質が反応する際、水がクッションになります。そして、なんと言っても、水を使った調理なら原則的に100℃を超えません。
人間の身体は蛋白質でできている。一方、身体のエネルギーの元となるのが糖である。
ともに大切な蛋白質と糖だが、これら2つが反応すると、蛋白質の機能が劣化する糖化現象が起こる。
蛋白質の一種であるコラーゲンがAGE化すると、肌の弾力が失われ、老けて見えるようになる。
血管のコラーゲンのAGE化は動脈硬化を起こす。
AGEが溜まると脳の神経細胞が障害を受け、認知症を発症させる原因にもなる。
AGEの量は血糖値×時間で決まるので、糖尿病だと大量のAGEが作られます。
特にAGEが多く含まれるのは、高温で加熱した動物性脂肪食品。
原則として、こんがりキツネ色をした食品、焼き目やコゲのついた食品はAGEを多く含む。
揚げたジャガイモやベーコンも非常にAGEが多い。
脱AGEの食事術
酢やレモンでしめてから加熱する。:酸性下ではAGE反応が起こりにくい。この性質を利用して、肉や魚を酢やレモンでしめてから加熱するとAGEの量を低く抑えることができる。たとえば、アジフライをつくるときはアジをマリネしてから揚げるといい。
食事はゆっくりとよく噛んで食べる:早食いは食後の血糖値を急上昇させ、体内でAGEの蓄積を促進する。これを防ぐには、よく噛み、ゆっくりと時間をかけて食べるのを習慣にすることだ。一口30回は噛みましょう。
ブロッコリースプラウトを食べよう:糖化反応を阻害するαリポ酸をはじめ、βカロテン、ビタミンなどを含むブロッコリーはアンチAGE野菜の代表。スプラウト(新芽)に多く含まれるスルフォラファンは抗酸化力や抗糖化力を高める。
ピザには生ハーブ、ハーブティー習慣:糖質の吸収をゆるやかにする食物繊維を含むバジルをのせれば、ビザなどの高AGE食品が若干でもましに。また、カモミールティーに含まれるカマメロサイドはAGEの生成を抑制する。
野菜や海藻・きのこ類をちょい足しする:食物繊維が多く含まれる野菜や果物はアンチAGE食品。外食でカレーや焼き肉を食べるときは必ずサラダも注文しよう。海藻類やきのこ類にも注目。試験管内の実験ではAGEの吸収を抑える働きが確認されている。毎日の食事で積極的に摂ろう。
白い食パンはやめて茶色い雑穀パンに:食品が体内で糖に変わり、血糖値が上昇する程度を示すGI値を比較すると、食パンやフランスパンは、雑穀パンやライ麦パン、小麦全粒粉パンよりも高い。ただし、どんなパンを選んでもジャムを大量に塗れば無意味に。
和菓子にはきなこをまぶす:大豆が原料のきなこにはAGEの生成に直結する血糖値を抑える働きがあり、和菓子にまぶすと効果的。総じて洋菓子よりも和菓子のほうがAGEは低いが、羊羹やあんこは砂糖が大量に使われているので、控えめに。また、緑茶のカテキンには抗糖化作用がある。ぜひ和菓子と一緒に。